木漏れ日とゆびさき。

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 朝日が顔を出すほんの少し前。私は籠にりんごをひとつだけ入れて、森の奥へと向かう。
 鬱蒼とした森の中は少し肌寒い。しっとりとした空気が辺りに漂い、倒木からキノコが生えている。
 森の中央には大樹が生えている。その中央には光を通さない暗闇がある。大きさは人がひとり通れそうなくらい。
 その穴から、そろりと腕が伸びている。
 スラリと伸びた指は細く、手のひらは広い。指先からは、香ばしく甘い香りがした。
 私はその手にちょんと指先をあわせ、おはようと挨拶した。
 陽光が木々の隙間から差し込み、私たちの指先を照らし出す。
 籠からリンゴを取り出して、一口齧って手に乗せる。
 リンゴを握った受け取った手は、ゆっくりと闇の中へと消えていく。
 私は自分の指先を抱きしめながら願った。
 いつか私も連れてって、と。
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公開:26/06/17 21:41

猫目ちゅん

のんびり屋さんです。優しいお話が好きです。読んでくださる方が、一瞬でも癒されたらいいなと思いながら書いています。癒し系小説家になりたい。サムネのイラストも描いています。

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