代理拍手
0
1
商店街の入口に、拍手屋がいた。
木箱の上で、『あなたの代わりに拍手します』と書いた札を下げていた。
私は百円払った。
拍手屋は、赤くなった手でぱちぱちと打った。
音はきれいにそろっていた。
少しだけ、何かを成し遂げた気分になった。
隣では主婦が、息子のテストに二百円分。
会社員が、企画書に五百円分。
老人が、きょうも起きていたことに一回分を頼んでいた。
夕方、私も自分で手を打とうとした。
指先が触れる直前で、やめた。
音が、少し安くなる気がした。
夜、駅前の大型ビジョンで男が手を振っていた。
画面の下に、小さく文字が流れた。
本日の拍手提供 九百七十三名。
男が何をしたのかは、表示されなかった。
木箱の上で、『あなたの代わりに拍手します』と書いた札を下げていた。
私は百円払った。
拍手屋は、赤くなった手でぱちぱちと打った。
音はきれいにそろっていた。
少しだけ、何かを成し遂げた気分になった。
隣では主婦が、息子のテストに二百円分。
会社員が、企画書に五百円分。
老人が、きょうも起きていたことに一回分を頼んでいた。
夕方、私も自分で手を打とうとした。
指先が触れる直前で、やめた。
音が、少し安くなる気がした。
夜、駅前の大型ビジョンで男が手を振っていた。
画面の下に、小さく文字が流れた。
本日の拍手提供 九百七十三名。
男が何をしたのかは、表示されなかった。
その他
公開:26/06/16 22:00
更新:26/06/16 20:21
更新:26/06/16 20:21
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます
問い屋