代理拍手

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商店街の入口に、拍手屋がいた。
木箱の上で、『あなたの代わりに拍手します』と書いた札を下げていた。

私は百円払った。

拍手屋は、赤くなった手でぱちぱちと打った。
音はきれいにそろっていた。
少しだけ、何かを成し遂げた気分になった。

隣では主婦が、息子のテストに二百円分。
会社員が、企画書に五百円分。
老人が、きょうも起きていたことに一回分を頼んでいた。

夕方、私も自分で手を打とうとした。
指先が触れる直前で、やめた。
音が、少し安くなる気がした。

夜、駅前の大型ビジョンで男が手を振っていた。
画面の下に、小さく文字が流れた。

本日の拍手提供 九百七十三名。

男が何をしたのかは、表示されなかった。
その他
公開:26/06/16 22:00
更新:26/06/16 20:21

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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