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放課後の理科室で、さくらは、捕らえたアゲハチョウの羽を
まるで服を脱がすような、残酷で、迷いのない手つきでもって
一枚ずつ根元から丁寧に別ちはじめた

 ぷつっ

その音が響くたび、僕の心臓は、暴力的に跳ねる

繊細な鱗粉を指で汚しながら、最後の一枚を引き抜いた瞬間
さくらの喉がちいさく鳴り、彼女の全身から力が抜けた

―ほう

潤んだ瞳、上気した頬
生命を物質に変容させた瞬間の、無垢な放出

その淫靡な横顔に、僕は息をのんだ

そのとき、さくらの視線が、僕の制服の
イビツにせり出した一点に、止まった

さくらの、顔が、にたりと、ゆがんだ

―ふふ、チョウチョおんなじ顔しとうよ

ほくそ笑んださくらが、僕の服の合わせ目に、指をかける

―あああ、いけないっちゃね

僕の理性が、さくらの悪戯に、音もなく、とけて、いった
















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青春
公開:26/06/10 13:36

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