勝ち癖の腕輪

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闘技場の控え廊下で、
ワイゴが腕輪を差し出した。

赤い石が、
内側だけで光っている。

「勝ち癖がつく」

ワイゴはそう言って、
口の端だけを上げた。

タカシは模擬戦で、
一回戦から吹き飛ばされた。

兜だけが、
先に戻ってきた。

けれど腕輪は、
ちりん、と鳴った。

帰還勝利。

表示板に、
そう浮かんだ。

「負けただろ」

タカシが言うと、
ワイゴは笑った。

「戻ってきた」

二回戦で、
タカシは場外まで逃げた。

腕輪は鳴った。

消耗未確定勝利。

三回戦で、
タカシは審判の前で
口を閉じた。

非謝罪勝利。

控え廊下の奥には、
敗者札を受け取る棚があった。

棄権。
治療中。
反則負け。

札は端から順に
差されていた。

セウゴは、
タカシの札を探した。

けれど、
棚の一番下には
赤い腕輪だけが
置かれていた。
ファンタジー
公開:26/06/10 07:00
更新:26/06/10 05:58

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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