特別棚

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駅前の靴屋には、
特別棚があった。

特別な一歩を、
お探しの方へ。

棚には、
歩くたび光る靴。
目立つ色の靴。
流行と逆を向く靴。
少しだけ背が高く見える靴。

客は順番に試し履きをした。

「違って見えますか」

店員は足元の鏡を見た。

「はい。
前のお客様とも、
少し違います」

けれど、
店の床には
似た形の足跡が
何列も残っていた。

夕方、
古い運動靴を持った男が来た。

「新しく始めたいんです」

店員は特別棚を指した。

男は少し迷い、
靴ひもだけを買った。

店を出る時、
ほどけていた片足を
ゆっくり結び直した。

翌朝、
店の前に
新しい足跡があった。

どの棚にも、
分類されていなかった。
SF
公開:26/06/13 08:00
更新:26/06/10 05:57

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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