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スノウはコンビニで働いていた。ムーンはラーメンを温め、シグナルはコーヒーを育てている。ぼくは地下七階の《北極サーバー》へ向かった。

「エラー。冬が過負荷に達しました」

その瞬間、空から「スノウ」が降り始めた。「ス」は道路を埋め、「ノ」は屋上に積もり、「ウ」は信号機から垂れ下がる。

《カタカナ層の崩壊を確認》

空に亀裂が走る。その向こうにあったのは巨大な文字列だった。

世界は文章だった。

都市も海も人間も、誰かが書いた物語にすぎない。

ノイズが溢れ、ビルは句読点へ変わり、スノウも文字列へ還元されていく。

「あなたも文字でしょう?」

答えようとしたが、「ボ」「ク」「ハ」だけが浮かんだ。

身体は文章となり、記憶は改行となる。

遠くでキーボードの音が響く。

カタ。カタ。カタ。

そのたびに星が生まれ、宇宙が書き換わる。

そして暗闇の向こうから、新しい単語が降り始めた。
公開:26/06/09 13:23

千億アルマ( Tokyo, Japan )

Archive fragments by Senoku ALMA

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