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雨の日しかやってない中華料理の店がある。噂を聞きつけ、おれは雨の日に店を訪れた。行列に並んで入った薄暗い店内で早速料理を注文すると、やがてそれが運ばれてきた。
「お待たせしました、雨粒チャーハンです」
目の前のグレーの皿には、透明な粒がドームの形に盛られていた。雨粒を炒めて作るという名物料理だ。
厨房からジャーッと炒める音が聞こえてくる中、おれは一口食べてみた。雨粒はパラパラの仕上がりで、噛むたびに優しい旨味が口いっぱいに広がった。心地いい雨の匂いも鼻を抜ける。
うまい──。
それだけでなく、ビリッと痺れるような辛みも感じた。刻んだ雷によるものだ。
おれは夢中で頬張って、あっという間に平らげる。大満足で腹をさする。
あっ、と思ったのはそのときだった。雨粒が盛られていたグレーの皿が、いつしか明るい青に変わっていたのだ。おれは束の間楽しんだ。その青空のような皿に架かった、七色に輝く食後の虹を。
「お待たせしました、雨粒チャーハンです」
目の前のグレーの皿には、透明な粒がドームの形に盛られていた。雨粒を炒めて作るという名物料理だ。
厨房からジャーッと炒める音が聞こえてくる中、おれは一口食べてみた。雨粒はパラパラの仕上がりで、噛むたびに優しい旨味が口いっぱいに広がった。心地いい雨の匂いも鼻を抜ける。
うまい──。
それだけでなく、ビリッと痺れるような辛みも感じた。刻んだ雷によるものだ。
おれは夢中で頬張って、あっという間に平らげる。大満足で腹をさする。
あっ、と思ったのはそのときだった。雨粒が盛られていたグレーの皿が、いつしか明るい青に変わっていたのだ。おれは束の間楽しんだ。その青空のような皿に架かった、七色に輝く食後の虹を。
ファンタジー
公開:26/06/13 14:21
J-WAVE
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。現代ショートショートの旗手として執筆活動に加え、坊っちゃん文学賞などにおいて審査員長を務める。また、全国各地で創作講座を開催するなど幅広く活動している。17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている。著書に『海色の壜』『おとぎカンパニー』など多数。
◆公式サイト:http://masatomotamaru.com/
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田丸雅智