第2話:片靴の話(不一致)

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昔、舞踏のあとに
片方だけの靴が残った。

名は、
後から美しくなった。

階段には、
小さな欠けと
泥の跡があった。

翌朝、
使者たちが町を回った。

探したのは、
娘ではなかった。

足幅。
甲の高さ。
かかとの傷。
指の収まり。

靴に入る者だけが、
持ち主に近いとされた。

姉たちは、
順番に足を入れた。

布が赤くなった。
爪が折れた。

係員は、
声をかけなかった。

合わなかった足は、
不一致として
別紙に移された。

その際、
履いてきた靴は
証拠品として預けられた。

後に、
物語は整えられた。

靴は、
本当の娘を選んだ。

城への通行札は、
一枚だけ発行された。

夜、
係員が棚を閉めようとして、
手を止めた。

不一致棚には、
片方だけの靴が
まだ増えていた。
ファンタジー
公開:26/06/15 07:00
更新:26/06/14 05:17
#童話の事後記録

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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