最後の調律師
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王都の時計塔には、調律師という役目はなかった。
法令集のどこにもない。
それでも朝になると、片耳の悪い老人が油の染みた手袋で歯車に触れ、早すぎる鐘をなだめ、遅れる針を押した。
蒸気管が議会室へ伸びかけると、古い鍵束を鳴らした。
市民は言った。
「よくできた時計だ」
冬の朝、老人が来なかった。
役目ではないので、後任は置かれなかった。
鐘は五分早く鳴り、市場はまだ戸を開けていなかった。
昼には、針が二本とも上を向いた。
夕方、蒸気管が議長席の下から息を吐いた。
技師たちは設計図を開いた。
鐘の権限。
針の権限。
管の権限。
歯車の独立。
すべて書かれていた。
最後の欄だけ、白かった。
調整責任者名。
法令集のどこにもない。
それでも朝になると、片耳の悪い老人が油の染みた手袋で歯車に触れ、早すぎる鐘をなだめ、遅れる針を押した。
蒸気管が議会室へ伸びかけると、古い鍵束を鳴らした。
市民は言った。
「よくできた時計だ」
冬の朝、老人が来なかった。
役目ではないので、後任は置かれなかった。
鐘は五分早く鳴り、市場はまだ戸を開けていなかった。
昼には、針が二本とも上を向いた。
夕方、蒸気管が議長席の下から息を吐いた。
技師たちは設計図を開いた。
鐘の権限。
針の権限。
管の権限。
歯車の独立。
すべて書かれていた。
最後の欄だけ、白かった。
調整責任者名。
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公開:26/06/12 20:00
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