伝声塔

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響都には、
言葉を増幅する塔があった。

届けたいことを紙に書くと、
塔は声に変え、
広場じゅうへ流してくれる。

まだ、
終わっていません。
ひとつだけ進めます。

声は石畳を渡り、
窓を震わせ、
聞いた者の肩を
少し下ろした。

翌日、
塔の前には列ができた。

ありがとう、と言う者。
もう一度聞かせてほしい、と言う者。

係員は笑わず、
感想を束ねて
次の掲示に貼った。

その隅で、
子どもを抱えた女が
小さな紙を差し出した。

子どもは眠っており、
片手だけが
女の袖を握っていた。

この声で、
よくなると聞きました。

塔はしばらく黙った。

やがて、
紙の下に
欄が一つ増えた。

反響責任者名。
SF
公開:26/06/08 08:00
更新:26/06/08 04:52

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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