無色の友だち

0
1

彼女は、よく真似をした。

最初は髪留め。
次は靴。
その次は、私のよく行く喫茶店。

「気が合うね」

彼女は笑った。

周りも笑った。

「双子みたい」
「仲いいよね」

私は少しずつ、
同じものをやめた。

髪を切った。
服の色を変えた。
行く場所も変えた。

そのたびに、
彼女は少し遅れて
同じ形になった。

ある日、
彼女の質問箱を見つけた。

どうして真似するんですか。

回答は短かった。

かわいいと思っただけ。
悪気とかじゃないです。
嫌なら言ってくれればよかったのに。

私は画面を閉じた。

言おうとした言葉を、
先に彼女が持っていた。

洗面所の鏡に、
知らない顔が映っていた。

どこかで見たことがある。

まだ誰の真似もしていなかった頃の、
彼女の顔だった。
ホラー
公開:26/06/01 20:00
更新:26/06/01 19:46

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容