プラネット・アース・セレナーデ

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『Planet Earth Serenade』
ここは、月にある一軒のバー。
そこに一人の若い男がやってきた。

「ブルー・オーシャンを」

地球の海をイメージした青いカクテルが男の前に置かれた。

「マスターは地球生まれなんですよね?」

「ええ」

「いいなぁ。地球って、どんなところなんですか?」

人類が地球を離れて長い月日が流れ、ほとんどの人間は他の星で生まれ育っていた。
白髪のマスターは少し笑った。

「不思議ですね。皆、あなたのように地球が好きだ。一度も行ったことがないのに」

「だって地球は綺麗じゃないですか」

「昔の人も同じでしたよ。皆、月を綺麗だと言ったが、汚染物質だらけの海からは目を逸らした」

丸い窓の向こうには、地球が浮かんでいた。

「人間ってのは、なくしてから愛に気付くんです」

店内では『Planet Earth Serenade』という古い曲が流れていた。
SF
公開:26/05/29 17:00
更新:26/05/29 17:39

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

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