久遠の神話

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遠い昔、ある賢者は戦争を終わらせるため、死の間際に巨大な白い鳩を作った。
鳩の羽ばたきは砲弾を逸らし、鳴き声は兵士たちから敵意を奪い、世界から戦争は消えた。

鳩は眠りにつき、人々は神のように崇め、神殿を建てた。
長い平和の中で、戦争を知る者はいなくなった。
そして、ある国の王は言った。

「あの鳩を所有する者こそ、世界を導くべきだ」

別の国は反発した。
最初は言葉だけだったが、やがて石が投げられ、火が放たれ、人々は再び武器を手にした。
戦火は鳩の眠る神殿にも及んだ。
崩れた天井の下、誰かが気づいた。

「動かない……」

鳩は死んでいた。
巨大な体は石のように固まり、純白だった羽は長い年月で灰色に変わっていた。

かつての鳩の神殿に残された碑文はここで途切れていた。
だが後に、賢者の最後の言葉が見つかった。

『鳩は卵を産み、やがて新たな鳩が空を舞うだろう。あとは、あなたたち次第だ』
ファンタジー
公開:26/05/26 21:25

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

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