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その古びた食堂は店主こそ不気味だが値段が安く味も良く、貧乏暇無しの俺は毎日通っていた。
入る度に香ばしいエビフライの香りが漂ってくるのだが、ある日その理由がわかった。厨房にある扇風機の羽根がエビフライだったのだ。
しかも、微風の表示の両側にエとライが書き足されていて”エ微風ライ”になっていた。
閉店前日、俺は店主から扇風機を譲り受けた。
「決して食べないように」
そう釘を刺されたが、その後彼が四年前に亡くなっているのを知った。
そして、その夏は奇跡的な涼しさの為微風だけで過ごしていた俺は、その香りの誘惑に負け全てのエビフライを食べてしまったのだ。
盆休み、岸を歩きながら海からの風を感じた俺は、日頃の疲れを癒すかのように吸い込んだ。
だがそれは潮風でなくあの微風だった。俺の故郷の海はあのエビの故郷でもあったのだ。
俺は一生、潮の香りの代わりにエビフライの香りを嗅ぐ呪いをかけられたのだ。
入る度に香ばしいエビフライの香りが漂ってくるのだが、ある日その理由がわかった。厨房にある扇風機の羽根がエビフライだったのだ。
しかも、微風の表示の両側にエとライが書き足されていて”エ微風ライ”になっていた。
閉店前日、俺は店主から扇風機を譲り受けた。
「決して食べないように」
そう釘を刺されたが、その後彼が四年前に亡くなっているのを知った。
そして、その夏は奇跡的な涼しさの為微風だけで過ごしていた俺は、その香りの誘惑に負け全てのエビフライを食べてしまったのだ。
盆休み、岸を歩きながら海からの風を感じた俺は、日頃の疲れを癒すかのように吸い込んだ。
だがそれは潮風でなくあの微風だった。俺の故郷の海はあのエビの故郷でもあったのだ。
俺は一生、潮の香りの代わりにエビフライの香りを嗅ぐ呪いをかけられたのだ。
ホラー
公開:26/05/26 21:55
更新:26/05/26 21:59
更新:26/05/26 21:59
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くろせさんきち