アイスコーヒー

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老朽化したビルの1階が僕の職場だ。エアコンはあるが全く冷えない。そのうえエアコンのスイッチを入れると蛍光灯が瞬き始め、真夏のアブラゼミの鳴き声を上げる。漏電でもしているのだろう。やむを得ず換気扇をフル稼働させることで初夏の蒸し暑さを凌いでいる。ムダに大きな換気扇は良い働きをしてくれる。今の事務所が入る前は飲食店だったとの噂は本当なのかもしれない。

バイトの子が可愛いと言う理由だけで、毎朝職場近くのカフェでアイスコーヒーを買う。
職場に着いてアイスコーヒーにストローを突き立てるのが僕の仕事始めのスイッチだ。
突き立てたストローをくわえ一気に吸い込む。冷たさと苦味が口の中に広がらない。
スーっと気の抜けたような空気だけが口に入ってきた。
僕はカップのプラスチック蓋を外した。
中にはコーヒーの代わりに一枚の紙が入っていた。

「今日、ランチを・・・」
青春
公開:26/05/25 07:41

すけ3

日常がふっと壊れる瞬間の話を書いています。ご感想お待ちしています。
普段は山を走ったり、保護犬2匹と散歩したり、仲間とワイワイしています。

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