遺失物
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おかっぱ頭の色白で細身の少女が入ってきた。
ずぶ濡れになっている。
傘を持っていなかったのだろうか。
したたり落ちる水を気にするでもなく、うつむいたまま立っている。
手のひらには金魚が乗っている。 苦しそうに口をパクパクとさせている。
「落ち着きなさい。どうしましたか?」
私は尋ねた。
相変わらず口をパクパクと動かしている。
「落ちていました」
低く太い声に驚いた。 じっとりとした汗が背中を流れた。
「えっ! どこに? それに落ちていたってどういうこと? 金魚が?」
「らんちゅうです」
若干怒気を含んだような低い声が答えた。
「かわ」
「えっ、かわ? 川? ああ川にそのらんちゅうが落ちていたの? 川で泳いでいたらんちゅうを君が捕まえたの?」
「かわにながれてきた」
派出所には私と少女だけが残された。
少女の口は苦しそうにパクパクと動いていた。
手のひらには金魚が乗っている。 苦しそうに口をパクパクとさせている。
「落ち着きなさい。どうしましたか?」
私は尋ねた。
相変わらず口をパクパクと動かしている。
「落ちていました」
低く太い声に驚いた。 じっとりとした汗が背中を流れた。
「えっ! どこに? それに落ちていたってどういうこと? 金魚が?」
「らんちゅうです」
若干怒気を含んだような低い声が答えた。
「かわ」
「えっ、かわ? 川? ああ川にそのらんちゅうが落ちていたの? 川で泳いでいたらんちゅうを君が捕まえたの?」
「かわにながれてきた」
派出所には私と少女だけが残された。
少女の口は苦しそうにパクパクと動いていた。
SF
公開:26/05/21 05:58
日常がふっと壊れる瞬間の話を書いています。ご感想お待ちしています。
普段は山を走ったり、保護犬2匹と散歩したり、仲間とワイワイしています。
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すけ3