一回だけの荷運び

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王都の掲示板に、
夜だけ光る札が貼られた。

一回だけの荷運び。
面通しなし。
銀貨、当日渡し。

「一回だけなら、
手伝いだろ」

タカシは札をはがした。

合図は水晶板に届いた。

南門で荷を受け取れ。
返事はいらない。

南門には、
同じ札を持つ少年が三人いた。

誰も名乗らなかった。

荷は小さな木箱だった。
中身は知らなくてよい、と
水晶板に出た。

運び終えるころ、
王都の鐘が鳴った。

少年たちは散った。

タカシの札だけ、
水晶板に残っていた。

兵士は、
札の残った方へ歩いた。

水晶板には、
受け取った合図の跡だけがなかった。

翌朝、掲示板には
新しい札が貼られていた。

一回だけの荷運び。
面通しなし。
銀貨、当日渡し。

初めての方、歓迎。
ファンタジー
公開:26/05/19 20:00
更新:26/05/19 19:12

問い屋

問いを描くショートショートを書いています。
 
その違和感を、
まだ持ったままの人へ。
 
問いの続きを、ここにまとめています。

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