キミと生きる:04

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限りなく透き通って、どこまでも抜けていくような緑の季節が、街の景色をぬりかえていく。
強い光は、建物の縁を鋭く削り、すべての輪郭を白くぼやかしてしまう。

私たちはもう、あのころのようにはいかない。

この光のなかを、並んで歩くことはない。
言葉を交わすことも、視線を重ねることだって。

それでも…

朝の光のなかで、私が選ぶ服の色には「キミ」の好みが混ざり合う。
「キミ」がいまどこかで口にしているコーヒーの苦さには、私のクセが残っている。

好き、という簡単な言葉でひとまとめにするには、あまりにも日常を侵食しすぎた習慣。
「キミ」をいまもなお、消えないルールとして、抱えたままに生きている。

この眩しい世界を、それぞれに、そして、別々に。

私は、正しく「キミ」と生きていく。








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青春
公開:26/05/19 11:03
更新:26/05/19 11:04

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