ある100マイルランナーの独白 #1

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関門はまだ20km以上先。
制限時間を先ほど迎えた。
重い足を無理矢理前に出す。
体重がかかった膝は痛みを呼ぶ。
嫌いではない。
辛くもない。
最高の時間を過ごしている幸福感に包まれながら、朝霧の中を進む。夜明け前の静寂がどこまでも続く。
何時間かかっても関門までは行く。途中でやめる理由を持ち合わせていない。
朝日が遠くに見える山の頂を赤く染め始めた。今からあの山を越える。
吐き出した白い息は朝霧に紛れて消えていった。
青春
公開:26/05/19 07:31

すけ3

日常がふっと壊れる瞬間の話を書いています。ご感想お待ちしています。
普段は山を走ったり、保護犬2匹と散歩したり、仲間とワイワイしています。

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