オープン初日

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氷が多めに入ったポットを持ち上げる。ポット周りの水滴がカウンターテーブルにポタポタと落ちる。額から汗が吹き出す。シャツが背中に張り付く。
グラスの冷たさが手のひらから全身に伝わる。一気に飲み込んだ水は私を内側から一気に冷やしてくれる。

 ラーメンを食べ終えた私の背中に順番を待つ人たちの視線が刺さる。

 カウンターに空いたグラスと軽くなった丼を乗せる。
「あー、美味かった」
誰に伝えるともなく、しかし誰にでも聞こえるように私は嘘をついた。

 吐き気を抑えながら私はそそくさと店から出た。
 店外で順番を待つ人たちのお腹が鳴る音が聞こえる気がした。私はグエグエと笑いながら薬局へ向かった。
その他
公開:26/05/12 07:43

すけ3

日常がふっと壊れる瞬間の話を書いています。ご感想お待ちしています。
普段は山を走ったり、保護犬2匹と散歩したり、仲間とワイワイしています。

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