自身の森

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誰もが自分自身の森を持つ。象徴的な話ではない。その森のことを知るものは少なくない。先生から教わった、親から聞いた、本で読んだなどさまざまに。生まれつき知っているという者もやはり誰かから聞いたのである。森を探す者はとにかく森のある所へ行く。どの地域か、情報はあっても不確実。自分で森を歩くことでしか発見できない。
十年二十年と歩いても見つからない人もいれば、初心者がふらりと歩く小径が自身の森に繋がることもある。森のことを知らず偶然に自身の森に入ったという人は極めて稀である。
自身の森に入るとどんな気分か。森との一体感という言葉は不十分。木々が自分のなかにずぶずぶっと入ってくる感覚、そして自分がぱらぱらと分散して木々に吸われる感覚。
暗くなる前に森を出るべき。夜は全くの闇。身を横たえると安らいで満足な眠りに落ちる。快適な朝を迎える人もいるが、闇の中で再び夜明けを見ることがない人もいるのである。
その他
公開:26/05/09 16:09

たちばな( 東京 )

2020年2月24日から参加しています。
タイトル画像では自作のペインティング、ドローイング、コラージュなどをみていただいています。
よろしくお願いします。

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