頭のアンテナ

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ある日、男が目を覚ますと、頭に小さなアンテナが生えていた。
男は帽子をかぶり、外へ出た。

(面倒くせぇな)

振り向くと、スーツ姿の若い男がいた。

(何見てんだコイツ)

口は動いていない。

「アンテナは、心の声を受信しているのか?」

その日から、本音が頭に流れ込んできた。

(邪魔だな)
(いなくても困らなそう)
(何見てんだコイツ)

男はアパートの部屋に閉じこもった。

ある日、チャイムが鳴った。
扉の前には、見知らぬ女性がいた。

「大丈夫ですか?」

「……あなたは?」

「下の階の者です。あなたの部屋から、声がして」

「どうして、それを……」

(私も同じなんです)

彼女はただ微笑んでいた。
その頭にも、小さなアンテナがあった。

彼女は手の中のボタンを押した。

(大丈夫。私がいるよ)

もう一度、ボタンを押した。

(何見てんだコイツ)

「あっ……間違えた」
その他
公開:26/05/05 14:01

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

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