迷子の布団さん

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明後日の方向で、一昨日の夜に突然押し入れから吹っ飛んで迷子になっていた私の布団をやっと見つける事ができた。

おそらく見知らぬ土地で一枚心細い夜を過ごしたのであろう布団は、枕元の辺りが涙でグショグショに濡れていた。

無断で急に吹っ飛んでいったのは布団自身なのに、ブルブル震えてシーツに鳥肌まで立てている様子を見ると可哀そうになってしまって怒るに怒れず「とにかく無事でよかった」と言いながら、私はあやすように濡れた布団の枕元を優しく撫でた。

結局、帰った後に突然吹っ飛んでいった理由を何度尋ねても布団は狸寝入りを決めこんだりして頑なに答えようとはしなかったが、そういえば布団が吹っ飛ぶ前日の夜に見た私の夢は、鳥になって空を飛び、海を越えて見知らぬ異国の土地まで旅をするというものだったから、その夢を垣間見た布団は私の真似をしてどこか遠くへ行ってみたいと願ったのかもしれないなぁと思う事にした。
公開:26/05/04 23:00
更新:26/05/04 23:01
あ、お、む、けで作文 迷い布団 お出かけ楽しいけど やっぱお家も最高だ!

ネモフィラの旅人( 風の向くまま )

旅人なのでいたりいなかったりします

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