野球の神様

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九回ノーアウト、一二塁。
打てばサヨナラで、リーグ優勝が決まる。
プロ十年目の俺に、最大の見せ場が来た。

ピッチャーが一球目を投げた。
すると、ボールが止まった。

「聞こえるかい?」

「誰だ?」

「私は野球の神だ。キミのこれまでの善行を『運』として還元しよう」

「運を一括で使えば、最高の結果になる。分割なら安定した野球人生だ。どうする?」

俺は迷わなかった。

「一括で使う」

世界が動き出す。
俺はバットを振り抜いた。
サヨナラホームラン。

「ありがとう!野球の神様!」

後日。俺は監督室へ呼ばれた。

「お前は二軍降格。来季は構想外だ」

「なぜですか?」

「送りバントのサインを無視したからだ」

その夜、俺は球場で神に祈った。

「もう一度、力を貸してください」

「残念だが、運は使い切った。運が貯まったら、また会おう」

「それは、いつですか?」

「十年後かな」
ファンタジー
公開:26/05/08 12:44
更新:26/05/08 12:47

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

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