雨は降った

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雨は降った。
それはそれは強く、激しく、まさに滝のようだった。

選択に悩んでいたわたしは、窓の外を眺めながら憂鬱になった。昼間だと言うのに部屋も気持ちも暗い。

すると、赤い傘をさしたおじいさんがこちらを見て何か言っている。こんなに強い雨なのに、危ないじゃないか。

窓を開け「どうしました」と声を張り上げると、おじいさんも声を張り上げ、

「あなた、今考えごとをしていた?」

と言う。よくわからないまま、首を縦に何度か振ると、おじいさんは雨の方を指さし、

「この雨ー、今ー




『だいせいかぁあーーーーーーーーーーーーーーーい!!』




って、降ってるよー」



と、満面の笑みで教えてくれた。



雨は「ザー」でなく「せいかーい」と降っていたのか。

改めて勢いを増す雨に耳をすませる。

「セーカイー」「セーカーイ」

決断が不安な時は、雨の音を聞こうと思った。
ファンタジー
公開:26/05/06 12:59
更新:26/05/06 16:08
#雨

Yukie Fujishiro( オーストラリア )

読むとちょっと機嫌がよくなる、を目指して、散歩ができた時と、おいしいごはんが食べられた日は更新しようと思います。

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