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思い出とは、いつも美しいものである。
気の置けない親友とともに歩いた森の小道。目の前にひろがる静かな砂浜。漁を終えた漁船が浜に並べられ、船底を乾かしている。
彼女は右腕に生まれて1年ほどの赤ん坊を抱いていた。温かくて柔らかな肉体が、彼女の肩に頭を乗せながら、安らかな寝息を立てている。
親友は森の中を通りぬける風を集めるかのように、麦わら帽子を高く掲げる。
思い出は、思い出だからこそ、美しい。
小さなお墓を前にして、彼女は今日も、美しい思い出に浸り続ける。
思い出さえあれば、未来など、もういらない。
気の置けない親友とともに歩いた森の小道。目の前にひろがる静かな砂浜。漁を終えた漁船が浜に並べられ、船底を乾かしている。
彼女は右腕に生まれて1年ほどの赤ん坊を抱いていた。温かくて柔らかな肉体が、彼女の肩に頭を乗せながら、安らかな寝息を立てている。
親友は森の中を通りぬける風を集めるかのように、麦わら帽子を高く掲げる。
思い出は、思い出だからこそ、美しい。
小さなお墓を前にして、彼女は今日も、美しい思い出に浸り続ける。
思い出さえあれば、未来など、もういらない。
その他
公開:26/05/06 12:54
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齊藤 想