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「もう降りたい」
GW中のある日、うちの鯉のぼりの黒い真鯉がポールから降りた。ベランダで風に吹かれるのに疲れたらしい。
「あとは代行にお願いする」
そう言って鯉は鯉のぼり代行に連絡し、ソファでくつろぎ始めた。
するとまもなく息子が「ママ!代行が来た!」
見ると真鯉の場所に鮭の切身がなびいていた。
あの切身、まさか。と思い冷蔵庫を確認すると、今日の夕食用の鮭の切身がなくなっていた。どうやら冷蔵庫内の魚が鯉のぼりの代行をするらしい。
鯉のぼりの一部として風に揺れる切身は面白いが、せっかく買った魚が料理に使えない。それに真鯉にもちゃんと働いてほしい。困った私は冷蔵庫内の魚を全て冷凍した。これなら代行できないだろう。
しかし翌日も真鯉はリビングで寝そべっていた。鯉のぼりの真鯉の場所は空白だ。
「そろそろ戻ってよ」
「代行がいますけど」
よく見ると、お弁当用の魚型醤油入れがパタパタ泳いでいた。
GW中のある日、うちの鯉のぼりの黒い真鯉がポールから降りた。ベランダで風に吹かれるのに疲れたらしい。
「あとは代行にお願いする」
そう言って鯉は鯉のぼり代行に連絡し、ソファでくつろぎ始めた。
するとまもなく息子が「ママ!代行が来た!」
見ると真鯉の場所に鮭の切身がなびいていた。
あの切身、まさか。と思い冷蔵庫を確認すると、今日の夕食用の鮭の切身がなくなっていた。どうやら冷蔵庫内の魚が鯉のぼりの代行をするらしい。
鯉のぼりの一部として風に揺れる切身は面白いが、せっかく買った魚が料理に使えない。それに真鯉にもちゃんと働いてほしい。困った私は冷蔵庫内の魚を全て冷凍した。これなら代行できないだろう。
しかし翌日も真鯉はリビングで寝そべっていた。鯉のぼりの真鯉の場所は空白だ。
「そろそろ戻ってよ」
「代行がいますけど」
よく見ると、お弁当用の魚型醤油入れがパタパタ泳いでいた。
公開:26/05/01 09:25
山吹橙子(やまぶきとうこ)と申します。ショートショート練習中の平凡な会社員です。
楽しい話、ツッコミたくなる話が書けるよう日々精進しています。
小説家になった友人に「私も書いてるよ」と見せられる作品を書くのが目標です。
※コメント下手ゆえ、⭐︎の押し逃げをすることがあります。お許しください。
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山吹橙子