優しき狙撃者(スナイバーはENFP)

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俺は天才スナイパー。射撃を外したことはない。
ジリジリと照り付ける太陽。真夏の太陽は俺の体を容赦なく焦す。
ビルの屋上で銃を構える。腕から汗が滝のようにしたたり落ちる。
スコープ越しに見る道路は陽炎で歪んでいる。
指先に神経を集中。呼吸を止め目を見開く。
スコープ越しの視界に高校生たちが入ってきた。
箱を持っている。「被災した高校生に愛の募金を!」
スコープの視界が整む。目頭が熱い。

俺は全財産の100円玉をポケットから取り出し箱に入れた。
「ありがどうございましたー!あなたにも愛をー」
高校生たちの穢れなき声が俺の背中を優しく包む。愛で繋がる。
足取り軽く帰路に就く。

ボスからの電話だ。
背中を冷たい汗がすうっと走る。
「このバカヤローまた失敗しやがって!」
何も言えない俺の代わりに、お腹がグーっと鳴る。
俺は天才スナイパー。いつも腹ペコだ。未だ依頼成功なし。
公開:26/04/30 09:00

すけ3

30日連続【閃光小説】更新中。日常がふっと壊れる瞬間の話を書いています。
普段は山を走ったり、保護犬2匹と散歩したり、仲間とワイワイしています。

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