たとえ世界を敵にまわしても

0
1

「たとえ世界を敵にまわしても、キミのことを守る」

と彼女に言った直後、男のスマホが震えた。

『世界防衛機構からのお知らせ』
「あなたは、世界の敵と認定されました」

外がなんだか騒々しく、出ると、信号はすべて赤。
ドローンが旋回し、付近の店にはバリケードが張られていた。

「私を守ってくれるんでしょ?」

彼女の声を背に、再び通知が届いた。

『救済措置のお知らせ』
「対象の保護を放棄すれば、敵認定は解除されます」

「そもそも冗談だしな……」

男はボタンを押した。
次の瞬間、信号は青に戻った。

「助かった……」

直後、ドローンが彼女へ向きを変え、乾いた音が響いた。

『世界防衛機構からのお知らせ』
「脅威は排除されました」

倒れた彼女の体から、尻尾のようなものが伸び、その先が食虫植物の口のように割れ、男を見ていた。

男はスマホを見つめ、小さく呟いた。

「助かったのか……」
SF
公開:26/05/02 15:00

加賀美 秋彦

加賀美 秋彦と申します。
2025年4月から、ショートショートを書き始めました。
色々なジャンルの作品を書いています。
よろしくお願いします。

作品イラストはフリー素材やAIで作成したものです。

note

https://note.com/a_kagami

X(Twitter)

https://x.com/kagami_short2?s=21

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容