期待と本能
0
2
小さな沼のほとりを、中年の男が歩いている。
「釣れますか」
石の上に座った年寄りの男が、釣りをしていた。
「さあな」
しばらく水面を眺めていたが、魚が掛かることはなかった。
男は家に釣り竿を取りに戻った。
そして、年寄りから少し離れたところで、糸を垂らした。
「釣れますか」
帽子を被った男が声をかけた。
「さあね」
その男もしばらく水面を眺めていたが、魚が掛かることはなかった。
帽子の男は、車に釣り竿を取りに戻った。
そして、中年の男から少し離れたところで、糸を垂らした。
「釣れますか」
膝下ズボンを履いた男が声をかけた。
「さあ」
しばらく水面を眺めていたが、魚が掛かることはなかった。
膝下の男が年寄りに近づき、バケツを覗いた。
「ここ、何が釣れますか」
年寄りが振り返った。
「知らんよ。ここ、この前の大雨の跡だ」
男たちは二人を横目で見ながら、浮きが沈むのをじっと待った。
おわり
「釣れますか」
石の上に座った年寄りの男が、釣りをしていた。
「さあな」
しばらく水面を眺めていたが、魚が掛かることはなかった。
男は家に釣り竿を取りに戻った。
そして、年寄りから少し離れたところで、糸を垂らした。
「釣れますか」
帽子を被った男が声をかけた。
「さあね」
その男もしばらく水面を眺めていたが、魚が掛かることはなかった。
帽子の男は、車に釣り竿を取りに戻った。
そして、中年の男から少し離れたところで、糸を垂らした。
「釣れますか」
膝下ズボンを履いた男が声をかけた。
「さあ」
しばらく水面を眺めていたが、魚が掛かることはなかった。
膝下の男が年寄りに近づき、バケツを覗いた。
「ここ、何が釣れますか」
年寄りが振り返った。
「知らんよ。ここ、この前の大雨の跡だ」
男たちは二人を横目で見ながら、浮きが沈むのをじっと待った。
おわり
その他
公開:26/04/27 23:54
寓話
ズレ
ブラック
風刺
釣り
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます