ひまつぶし

2
3

暇は閉所を好む生き物で、気付いた時には物と物との間にできた極小さな空間…私の部屋でいえば本棚に空いている図鑑一冊分程の隙間へ挟まり、何をするでもなく通り過ぎていく時間を只見送っている事が多い。

前に「なぜ君達は隙間にばかり現れるの?」と、日焼けた天井のシミを何時間も数えていた暇に尋ねた事がある。

「つまらないと言われるから、自分の様な空虚なものでも簡単に詰まれそうな隙間を探し、本当に詰まらないのか、実は詰まれるのかを試している」と、その時暇は酷くつまらなそうに答えた。

不器用な印象を暇に対して持った私は「ご自由にお詰まりください」というラベルをジャムの空き瓶に貼り、部屋の隅に置いてみた。

暫くの間、遠慮深い暇達は瓶へ詰まろうとしなかったが、ある日オレンジ色の暇が瓶に詰まりマーマレードの様にとろけた表情で穏やかな寝息を立てた日を境に、暇達は代わり番こでジャムの瓶に詰まるようになった。
公開:26/04/28 00:00
暇つぶしに ひ、ま、つ、ぶ、し作文で 「ひまつぶし」を書いてみた

ネモフィラの旅人( 風の向くまま )

旅人なのでいたりいなかったりします

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容