想い灰

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私は花農家を営む友人を訪ねていた。カフェを開いた叔父への祝花を買う為だ。
「だから、遺灰にはリン酸が豊富だから、花を育てるにはもってこいなんだって」
「その話、耳に灰が詰まるくらい聞いたよ」
ここでは、土に遺灰を混ぜ花を育てている。
「ったく。ほら、この花持ってけ」
そう言って友人は、一角に咲く黄色い花を刈り取った。
何でもここ一帯の土には、珈琲好きだった老夫婦の遺灰が入ってるそうだ。
「いいか、遺灰には栄養の他に『死者の情念』も含んでいる。そして、それは花にも伝染するんだよ。って、聞いてんのか?」
「その話も耳灰」


お陰様でカフェは上々の評判らしい。
祝花のお礼も兼ね、私は再び花農家の友人を訪ねた。
「そりゃ良かった。ラテがさぞ旨いんだろ?」
「どうしてそう思う?」
「分かるんだよ。あの土、老夫婦の他にも酪農家の遺灰も入れてある。ま、俺みたいなブラック好きにはイマイチかもな」
その他
公開:18/07/26 20:43
更新:18/08/29 20:53

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