キラキラネームの大逆転

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ある日、人類は異能に目覚めた。
周りを見る限り、どうやら名前に因んだ能力を手にするようだ。
「俊」は目にも留まらぬスピード、「翔太」は空を翔る大翼、「健二」は……橋を架ける力?

そして僕の名前は、田中嗟嘆(サタン)。
小さい頃からキラキラネームだなんだとバカにされ、散々な思いをしてきた。
正直こんな名前をつけた両親が憎かった。
だけど、父さん母さん、ありがとう。この日のために、このときのために、僕に魔王という名前をくれたんだね。

真夏の校舎屋上、目を閉じ、力を込める。
……復讐してやる!!うおおおお!!!!
ありったけの力を込めて、己に与えられた異能を解き放ったーー

目を開ける。
屋上に小さな稲田が広がっていた。そして同時に、健二の苗字が高橋だったことにも気がつく。そっか、そっか、僕もそっちのパターンか。
青々とした稲穂が、そよ風に揺られている。収穫にむけてこれから忙しくなりそうだ。
ファンタジー
公開:18/07/25 19:46
更新:18/07/25 19:48

かわかむ( 茨城 )

クスっと笑っていただけるような、そんな作品が書ければと思っています。

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