空の話

私が昔、空だった頃、母はそら豆だった
若い頃の母は、それはもう、マメだった
でも、父は武将だった。大納言である

私が昔、空港だった頃、滑走路によく蛇が現れた
だから、周囲からは、ハブ空港と呼ばれていた

私が昔、空白だった頃、私の履歴書は真っ白だった
そのため、面接では、君、やる気はあるのとよく聞かれた
だから、私はこう主張する。私は宇宙（スペース）の仕事をしたいんですと

私が昔、空色だった頃、妹は青春バラ色で、姉は人生色々だった
兄貴は無職で、弟は汚職、それを知った私はショックだった

私が昔、空間だった頃、仲間と旅行へ行った
そんなある日、私は、場の空気を読めず、一人の女性と間違いが起こってしまった。束の間の出来事だった。その時の私は間男だった
二ヶ月後、彼女から出来たのと告げられた
私は世間体を考え、時間を貰えないかと彼女に告げた
それを聞いた彼女の眉間は少し上がっていた