ひと夏の思い出は共有されない
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「あれ?夏休み取らなかったの?」
目の前のシフト表を指でなぞりながら、彼は後ろに座っていた私に問い掛けた。
「はい」
シフト表をなぞり続けている彼の背中に視線を動かしながら答える。
「というか、ほとんど出ずっぱりじゃないか」
確認するように何度か行き来する指。
「そうなりましたね」
彼の指がなぞる数段上のシフトを目で追った。
「稼ぐなあ〜」
彼の指が月末まで辿り着く。
追いかけるように滑らせていた私の視線は、振り向いたらしい彼のそれとかち合った。
「お互い様じゃないですか」
彼越しのシフト表を空でなぞり、小さく笑うと、「そうだった」と軽快な笑い声が返される。
「でも、おかげでいい夏の思い出は出来そうです」
はた、と笑い声が止んだ。
なんでだ?とでも言いたげに。
出来るならば、そのまま、いい夏の思い出でいてください。
目の前のシフト表を指でなぞりながら、彼は後ろに座っていた私に問い掛けた。
「はい」
シフト表をなぞり続けている彼の背中に視線を動かしながら答える。
「というか、ほとんど出ずっぱりじゃないか」
確認するように何度か行き来する指。
「そうなりましたね」
彼の指がなぞる数段上のシフトを目で追った。
「稼ぐなあ〜」
彼の指が月末まで辿り着く。
追いかけるように滑らせていた私の視線は、振り向いたらしい彼のそれとかち合った。
「お互い様じゃないですか」
彼越しのシフト表を空でなぞり、小さく笑うと、「そうだった」と軽快な笑い声が返される。
「でも、おかげでいい夏の思い出は出来そうです」
はた、と笑い声が止んだ。
なんでだ?とでも言いたげに。
出来るならば、そのまま、いい夏の思い出でいてください。
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公開:18/07/23 18:37
空に煌めく星を優しい声で包んでいる空間が好きな者。
他愛ない日常を書き留めておきたい。
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