カレッタ・カレッタ
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真っ白の世界に、海ガメがいた。
全長1mほどのその子は大きくて、動かなければ、岩みたいだと思った。
やがて辺りは灰色に、そして真っ黒の世界になり、そのうちポツポツと、光の粒が天を覆った。
なでるとその子はふぅーっと息を吐いた。手には甲羅についたフジツボのにゅっとした感触、苔のざらざら感が残る。
突然、動き出したその子は、意外に力強く地を蹴って前へ進んだ。
「また海に帰るの?呼吸ができないほどのゴミが浮き、サメに食べられる世界に、帰るの?」
私が問うと、その子は答えた。
「ああ。それが嫌でここに来たけど、間違っていた。海で日常を過ごすのが、自分の定めだと思い出したよ。」
「それが死ぬかもしれないことでも?」
「死にに行くわけじゃない。生きるために帰るんだよ。」
君も早く、帰れるといいね。
そう言って海ガメは去り、私はひとりぼっちになった。
全長1mほどのその子は大きくて、動かなければ、岩みたいだと思った。
やがて辺りは灰色に、そして真っ黒の世界になり、そのうちポツポツと、光の粒が天を覆った。
なでるとその子はふぅーっと息を吐いた。手には甲羅についたフジツボのにゅっとした感触、苔のざらざら感が残る。
突然、動き出したその子は、意外に力強く地を蹴って前へ進んだ。
「また海に帰るの?呼吸ができないほどのゴミが浮き、サメに食べられる世界に、帰るの?」
私が問うと、その子は答えた。
「ああ。それが嫌でここに来たけど、間違っていた。海で日常を過ごすのが、自分の定めだと思い出したよ。」
「それが死ぬかもしれないことでも?」
「死にに行くわけじゃない。生きるために帰るんだよ。」
君も早く、帰れるといいね。
そう言って海ガメは去り、私はひとりぼっちになった。
ファンタジー
公開:18/07/22 17:53
更新:18/07/24 08:41
更新:18/07/24 08:41
自然と暮らす。
題材は身近なものが多いです。
110.泡顔
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