ミミズの耳

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ミミズが歩いていた。ミミズには耳がなかった。私はミミズに音を感じさせてあげようと思った。
それから私はミミズをタッパに入れ持ち運び、近くでなにか音が発生するとその音を口で再現し大声でミミズに浴びせた。例えば近くを車が通ったらミミズに向け「ごおおお」と叫んだ。ミミズは体を震わせ喜んでいるようだった。四六時中行った。周りの視線は気にならなかった。ミミズを幸福にするのだ。講義中は教授の話を聞くと同時に内容をタッパに叫び続けた。結果出席を許されなくなった。うるさかったようだ。人間界ではミミズの幸福より人間の幸福が優先されるのだ。だが数日後ミミズが動かなくなった。餓死。ミミズのためにとミミズと行動していたのに、ミミズを監禁し餓死させていたのだ。ミミズからしたら私は悪魔だっただろう。
この経験により声が大きくなったので応援団長になった。めっちゃモテた。ミミズを監禁し餓死に追い込んだのにめっちゃモテた。
その他
公開:18/07/22 16:44

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