移り行く教室

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「佐藤君、この問1の解は何ですか?」
「わかりません……」

佐藤の頭は問題を解こうとフル回転した後、爆発した。
周囲の生徒たちは慣れたものか、爆発の瞬間に自分の机を遠ざけていた。

「佐藤君、この英文を和訳してください」
「私は……私の、ハートがブレイクして……」

佐藤の頭の中は英語と日本語が混じり合い、化学反応を起こし、爆発した。
周囲の生徒たちは当然のように、爆発の瞬間に自分の机を遠ざけていた。

今日の授業では、計6回佐藤が爆発した。

帰りのホームルームで先生が言った。
「明日はこのクラスに転校生がやってきます。佐藤が6人な。仲良くしてやってくれよ。よろしく」

転校生か、何を話せば良いのだろうか。しかも、6人も来るという。どうすれば良いのだ。偶然にも、苗字は僕と同じ佐藤だ。どうすれば。

佐藤は爆発した。

「あー、訂正する。明日は、転校生が7人やってきます」
先生は言った。
ホラー
公開:18/07/22 21:35

undoodnu( カントー地方 )

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