予約の後輩くん(1)

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「先輩。予約お願いします」
一人残業をしていると、二歳下の後輩である水瀬君が、唐突にそう言った。飲み会の幹事の手伝いでも頼まれていただろうか。
「なに、いつの飲み会の?」
「いえ、先輩のです」
「は?」
からかっているのか? 思ったが、恐ろしく表情は真剣だ。
「よくわからないけど、相手って意味なら、私彼氏が」
「わかってます。だから予約を頼んでるんじゃないですか」
水瀬君は、言葉を被せぎみに畳み掛けてくる。
「あ、今の彼氏さんの邪魔をしようとかではないので、安心してください。そういうの、誠実じゃないですから。予約でいいんです」
私はだんだん混乱してきた。
「え? 水瀬君は、今、私に告白してるの?」
回らない頭で出した問いを水瀬君にかけると、彼はふるりと首を横に振った。
「いえ、それはまだ。でも僕の番になったときは、覚悟してください」
小悪魔のように笑うその顔に、思わずどきりと心臓が跳ねた。
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公開:18/07/21 09:42
更新:18/07/28 01:05
スクー 予約制オフィスラブ 予約の後輩くん →予約の後輩、水瀬くん 通し番号で交互に進みます

ゆた

高野ユタというものでもあります。

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