51. わたしたちだけの家

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愛するクリムトが私たちの暮らした家を心を込めて描きあげてくれた。
でも実際よりも草木が多く窓も小さめ。
まるでこの家を隠すように彼は描いたのだ。
「どうして?」
「あぁ君を妻にしてはやれなかったが私が生涯で一番愛したのは間違いなく君だ。だから私たちの生活をここに閉じ込めたよ。
この絵には特殊な細工を施してあるんだ」
「えっ特殊な細工ってなぁに?」
「それはだいぶん先の未来で開発されているものなんだ」

彼が亡くなった後、遺言状によりこの絵だけは私が譲り受けた。
私が死ぬ間際、2018年から来たというSSGのスタッフが突如現れてこう言った。
「この絵は最新のテクノロジーによりこのVRカメラで家の中を覗くと当時の生活を詳細に見ることができるんですよ」
そう言ってかけてくれた大きな眼鏡で中を覗くと彼と私がそこにいて、イキイキと楽しそうに動いていた。

私は流れ出る涙を止めることが出来なかったー。
SF
公開:18/07/20 23:10
更新:18/10/07 14:24
クリムト 北オーストリアの農家

ことのは もも( 日本 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
最近書いたものと昔書いたものをランダムにアップしています。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します☆

2018年5月から書き始めて、2019年3月の時点で200作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツ書いていこうと思います(*^^*)
 

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