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「新宿の目で夜の11時に待ってます」
と、ネットで知り合った女からメールが届いたのだが、いつまでたっても来ない。仕方がないので帰ろうとすると、少し歩いた所に目印の赤い花を持った美しい女が立っていた。
こんな美女が喰えるとは、今日はラッキーな日だ。
「Kさんですよね? 新宿の目で待ち合わせのはずじゃ」
「ああ、右目のほうに居たんだ」
彼女の凭れかかる壁には新宿の目がもう1つあった。
「えっ、新宿の目って2つあるの?」
「目だから左右あるに決まってるじゃない」
「いままで全然気づかなかった」
女は妖しい目つきで笑った。
「ふふ、こっちに来てくれる」
これは!?
「新宿の鼻よ」
女が撫でていたのは巨大な鼻の形をしたオブジェだった。
「ごめんね。たまに喰わせないと機嫌悪くってさ」
「えっ、何のこと」
と言いかけた時、立っている地面が二つに割れ、おれはムシャムシャと新宿の口に喰われてしまった──。
と、ネットで知り合った女からメールが届いたのだが、いつまでたっても来ない。仕方がないので帰ろうとすると、少し歩いた所に目印の赤い花を持った美しい女が立っていた。
こんな美女が喰えるとは、今日はラッキーな日だ。
「Kさんですよね? 新宿の目で待ち合わせのはずじゃ」
「ああ、右目のほうに居たんだ」
彼女の凭れかかる壁には新宿の目がもう1つあった。
「えっ、新宿の目って2つあるの?」
「目だから左右あるに決まってるじゃない」
「いままで全然気づかなかった」
女は妖しい目つきで笑った。
「ふふ、こっちに来てくれる」
これは!?
「新宿の鼻よ」
女が撫でていたのは巨大な鼻の形をしたオブジェだった。
「ごめんね。たまに喰わせないと機嫌悪くってさ」
「えっ、何のこと」
と言いかけた時、立っている地面が二つに割れ、おれはムシャムシャと新宿の口に喰われてしまった──。
ホラー
公開:18/07/22 01:25
更新:18/09/17 16:29
更新:18/09/17 16:29
(੭∴ω∴)੭ 渋谷獏(しぶたに・ばく)と申します。 小説・漫画・写真・画集などを制作し、Amazonで電子書籍として販売しています。ショートショートマガジン『ベリショーズ』の編集とデザイン担当。
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