来世と前世からの手紙
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ある日、僕の前世から手紙が来た。文面はこうだ。
「やあ、来世のわたし。もう一度人間に生まれ変わることができると聞いて、安心したよ。今の記憶は無くなってしまうみたいだが、ひとつだけ忠告しておきたい。君がもし結婚を考えている女性がいるなら、やめておきなさい。結婚は人生の墓場だ。これはわたしの経験に基づく確かなことだ。なにも良いことはない」
翌日、僕の来世から手紙が来た。
「よう。前世の俺。来世のあんたもしっかり人間やっているから安心しな。それよりも、だ。ひとつ忠告しておきてえことがある。もしあんたが最近の風潮に流されて独り身を貫こうとしているなら、そいつはよしな。未婚は人生の地獄だ。両親が死に、自分のことを親身に思ってくれるヤツがいない辛さを一度味わっちまったら、悔やんでも悔やみきれねえもんだぜ。これは、俺が身をもって知った確かなことさ」
僕は悩んだ末、雌犬を飼うことにした。
「やあ、来世のわたし。もう一度人間に生まれ変わることができると聞いて、安心したよ。今の記憶は無くなってしまうみたいだが、ひとつだけ忠告しておきたい。君がもし結婚を考えている女性がいるなら、やめておきなさい。結婚は人生の墓場だ。これはわたしの経験に基づく確かなことだ。なにも良いことはない」
翌日、僕の来世から手紙が来た。
「よう。前世の俺。来世のあんたもしっかり人間やっているから安心しな。それよりも、だ。ひとつ忠告しておきてえことがある。もしあんたが最近の風潮に流されて独り身を貫こうとしているなら、そいつはよしな。未婚は人生の地獄だ。両親が死に、自分のことを親身に思ってくれるヤツがいない辛さを一度味わっちまったら、悔やんでも悔やみきれねえもんだぜ。これは、俺が身をもって知った確かなことさ」
僕は悩んだ末、雌犬を飼うことにした。
ファンタジー
公開:18/07/21 23:00
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