足りないもの

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 美術館で買ってきたポスターカードを見ている。
「この絵は好きなんだけどね、何か物足りないの」
「それじゃあ描き足してみたら?」
 そう言うと彼女は林檎の絵を描いた。
「お腹空いてた?」
「ん~違くないけど、今は違うかな」
 彼女は次に家の前に男の子を描いた。
「これは誰?」
「え? きみだよ」
 もうちょっとイケメンにしてくれてもいいよ。そんな事を考えていたらもう一人描き足した。
「そして、隣に私」
「惚気?」
「いや?」
「そんなこと無いさ。ありがとう」
「それとね…」
 そう言うと彼女は赤ん坊を描いた。
「どう?」
「え? まさか……」
「きれいな景色も、家も、幸せな人たちがいないとちょっと寂しそう」
「それじゃあ僕らで足しに行こうか」
「ちゃんと幸せにしてくれないと、イケメン君を足しちゃうから」
「頑張らないとなぁ」
「よろしくね」
 そう言ってきみは笑って僕の肩を少しつついた。
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公開:18/07/19 17:59
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