奇譚【うちのダンナ】

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「ねぇあなた、料理作ってよ」
「うるせぇな、テメェがやれよ」
(テレビを見ている)
最近、ダンナが冷たくなったようだ。
婦人は、ダンナを連れ、大型家電ショップに行くことにした。
「いらっしゃいませ。あ、奥さま、どうかなさいましたか?」
「ダンナの調子が悪いのよ」
「なに言ってやがる、ふざけんな!」
「なるほど頭のネジがいかれてますな」
「なんだと!この野郎」

スパン!

店員は、修理用スリッパでダンナの頭を叩くと、ダンナは瞼を閉じ動かなくなった。

店員はドライバーをダンナの耳の穴に入れ、クルクル回した。
再びスリッパで頭をスパン!ダンナは瞼を開け起動を始めた。

「ア、イ、シ、テ、ル。愛してるよハニー」
「治ったみたいね」
「そのようですな」
婦人は満足げにダンナと腕を組み、店を出た。

帰宅後。

「ハニ〜♪ディナーの用意ができたよ〜ん」
「まあ美味しそう!さっすが私のダーリンね♡」
その他
公開:18/07/19 12:23
ダンナ 夫婦 店員 奇譚

豊丸晃生( 大阪 )

ショートショートの神様、星 新一を崇拝しています。お笑い好きで怪談も好き。
お笑いネタのような作品が多いですね(笑)
【受賞作品】
「渋谷シティ」
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞受賞。
「我が家の食卓」
ベルモニーショートショートコンテスト入賞。
「電車家族」
隕石家族ショートショートコンテスト入賞。
「大男の力自慢大会」
「スカイフィッシング」
空想競技2020ショートショートコンテストW入賞。

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