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『週末のデート相手を予約可能』
社内の未婚率が高い事を嘆いた社長の一声でこの企画が始まった。フリーの人は絶対登録というルールの為、私も登録させられた。週末、私を予約した8人の男性の名前と、デートの時間割がメールで届いた。私はモテモテらしい。その中に同期の山崎の名前を見つけて私の心が弾んだ。彼はあの子を選ぶと思っていたから…。
山崎との食事は会話が弾まなかった。
「楽しくない?」
「そんな事ないよ。美人の南さんが隣にいるから緊張しちゃって」
嘘だ。きっと彼はこの企画であの子が誰かと一緒にいるのを想像してる。
「結婚する時って色々理由があるよね。でも恋愛する時の理由って一つだけでさ、『会いたい』って思う気持ちだけ」
「南さん…」
「今山崎君は誰に会いたいの?」
彼はハッとしたように目を見開き、「ごめん」と言葉を残して駆け出していった。
バカ。
私が山崎を予約した時間はまだ残ってるんだぞ。
社内の未婚率が高い事を嘆いた社長の一声でこの企画が始まった。フリーの人は絶対登録というルールの為、私も登録させられた。週末、私を予約した8人の男性の名前と、デートの時間割がメールで届いた。私はモテモテらしい。その中に同期の山崎の名前を見つけて私の心が弾んだ。彼はあの子を選ぶと思っていたから…。
山崎との食事は会話が弾まなかった。
「楽しくない?」
「そんな事ないよ。美人の南さんが隣にいるから緊張しちゃって」
嘘だ。きっと彼はこの企画であの子が誰かと一緒にいるのを想像してる。
「結婚する時って色々理由があるよね。でも恋愛する時の理由って一つだけでさ、『会いたい』って思う気持ちだけ」
「南さん…」
「今山崎君は誰に会いたいの?」
彼はハッとしたように目を見開き、「ごめん」と言葉を残して駆け出していった。
バカ。
私が山崎を予約した時間はまだ残ってるんだぞ。
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公開:18/07/19 23:55
更新:18/07/20 08:37
更新:18/07/20 08:37
スクー
不思議な言葉
月の音色リスナーです。
ようやく300作に到達しました。ここまで続けられたのは、田丸先生と、大原さやかさんと、ここで出会えた皆さんのおかげです。月の文学館は通算24回採用。これからも楽しいお話を作っていきます。皆さんよろしくお願いします。
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