秘密
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「ミツルさん…。」
あの時、私から「付き合って」って。そう言ったらどうなっていたのだろうか。
私が出ていくと分かっていたあの人は、自分から言うはずがなかった。
それなのに私を突き放すことなく、私はそれに甘えた。
後悔しても、もう今は叶わない。私はここまで来てしまった。
目を閉じれば思い出す。レモンのような甘酸っぱい気持ちを、初めての幸せの色を、私に心を許してくれた笑顔を。
過ごしたのはひと夏だけ。
一緒に星を見て、星座をなぞった。
お酒を飲んで、そのまま外に飛び出し、花畑に全身埋もれた。
そうしてひときしり笑ったら、小屋の外で飽きることなく、月の光で浮かんだ木目を数えた。
あの場所に帰ることは、もうないだろう。
思い出を残したままのあの風景を、色あせぬ気持ちを、そうすることで思い出すのだ。
明日夫になる君には内緒。
願わくば、どうぞあの人が幸せでありますように。
あの時、私から「付き合って」って。そう言ったらどうなっていたのだろうか。
私が出ていくと分かっていたあの人は、自分から言うはずがなかった。
それなのに私を突き放すことなく、私はそれに甘えた。
後悔しても、もう今は叶わない。私はここまで来てしまった。
目を閉じれば思い出す。レモンのような甘酸っぱい気持ちを、初めての幸せの色を、私に心を許してくれた笑顔を。
過ごしたのはひと夏だけ。
一緒に星を見て、星座をなぞった。
お酒を飲んで、そのまま外に飛び出し、花畑に全身埋もれた。
そうしてひときしり笑ったら、小屋の外で飽きることなく、月の光で浮かんだ木目を数えた。
あの場所に帰ることは、もうないだろう。
思い出を残したままのあの風景を、色あせぬ気持ちを、そうすることで思い出すのだ。
明日夫になる君には内緒。
願わくば、どうぞあの人が幸せでありますように。
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公開:18/07/19 23:24
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