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「昨日、夢を見たんだ」
休み時間、左手に鉛筆を持った吉田がそう言った。クラスメイトは興味津々な様子で彼の席に集まる。
吉田は話し始めた。
「学校のさ、中央階段に大きな鏡があるだろう? そこに僕がいた。真夜中なのに世界がはっきり見えて、鏡の中で僕は手招きしていた」
「それで?」
「それだけ。僕は学校に来た。みんなと同じように」
「なあんだ、普通だな」
散り散りになっていくクラスメイトの中で、鈴木だけが、吉田の利き手は確かに右手だったことを思い出していた。
怖くなって何も言わず、席に戻ろうとすると吉田に呼び止められる。
「鈴木くん」
彼が振り返るとクラスメイトたちは皆、満面の笑みを浮かべていた。
「君だけ、だね」
言葉の真意がわからず聞き返そうとしたが、教師が来たため彼も席に座る。
授業が始まり、教師を初めとしてクラスメイト全員が左手に鉛筆を持つ姿を見て、鈴木はすべての言葉の意味を理解した。
休み時間、左手に鉛筆を持った吉田がそう言った。クラスメイトは興味津々な様子で彼の席に集まる。
吉田は話し始めた。
「学校のさ、中央階段に大きな鏡があるだろう? そこに僕がいた。真夜中なのに世界がはっきり見えて、鏡の中で僕は手招きしていた」
「それで?」
「それだけ。僕は学校に来た。みんなと同じように」
「なあんだ、普通だな」
散り散りになっていくクラスメイトの中で、鈴木だけが、吉田の利き手は確かに右手だったことを思い出していた。
怖くなって何も言わず、席に戻ろうとすると吉田に呼び止められる。
「鈴木くん」
彼が振り返るとクラスメイトたちは皆、満面の笑みを浮かべていた。
「君だけ、だね」
言葉の真意がわからず聞き返そうとしたが、教師が来たため彼も席に座る。
授業が始まり、教師を初めとしてクラスメイト全員が左手に鉛筆を持つ姿を見て、鈴木はすべての言葉の意味を理解した。
ホラー
公開:18/07/17 21:37
更新:18/07/20 02:16
更新:18/07/20 02:16
「意味」がわかれば君の勝ち
生まれ変わったらジンベエザメになりたい。
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使用写真はすべて自分で撮影しています。
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