いい世界転生

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道路を歩いている時、マンホールが外れていた。僕はそれに気づかずに歩き続け、下水道に落ちた。
落下の衝撃と痛みで目を瞑ってしまい、しばらく暗闇が続いた。その後、目を開けると、そこは光に包まれていた。目の前には、ヒラヒラとした服を着た女性が椅子に座っている。冗談みたいなアンティークの椅子だ。
「あなたは、死にました」
女性が言う。
「はい? 僕は目も見えるし、手も動く。死んでなんかいない」
「あなたは、マンホールが外れていて、下水道に落ちた。そして、打ち所が悪く、そのまま命を落としてしまったのです」
「でも、僕は生きている」
「では、心臓に手を当ててみてください」
僕は心臓に手を当てる。
……鼓動がない。僕は本当に死んだのか?
「残念ですが、あなたの生は今で終わります。ただし、今回の事故、とても不運です。あなたには、転生のチャンスを与えましょう」

僕はマンホールとして、人々を守り続けている。
ファンタジー
公開:18/07/18 22:54
更新:18/07/19 12:11

undoodnu( カントー地方 )

構成の凝った作品が好きです。
雑絡みOK!

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