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タッタッタ
少年は夜道を走った。駆け足で丘の上へ
急がなきゃ 急がなきゃ
気持ちだけが先走る
少年の向かう先は秘密基地、廃墟の牛舎である
この牛舎の裏が花火の良く見える特等席
いつもは無人のはずだった
でも、牛舎の中から少女のすすり泣く声が聞こえる
少年の額にどっと冷や汗が流れる
誰か居るの
少年は震える声で叫んだ
けれども、返事は帰って来ない
ガサッ
部屋の奥で何かが動く物音が聞こえた
少年の直感がこれ以上は踏み込んではいけないと警告する
けれども、足が竦んで後戻りは出来ない
スッ
白い物体が目の前の窓を横切った
まさか、幽霊
少年の顔から血の気が引く
クスクス、クスクス
背後からは複数の少女の笑い声が聞こえた
少年は恐る恐るゆっくりと背後を振り返る
すると、そこには・・・一匹の白猫が
なんだ、猫か
少年はホッと胸を撫で下ろした

翌朝、警邏中の警官が廃墟にて使い古された子供靴を発見した
公開:18/07/16 06:24
更新:18/07/20 23:20

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