来世こそは

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俺は自殺を図った。
来世はもっとマシな人生を送れますように―そう願った。

俺は生まれ変わってアリになってしまった。
人間が生まれ変われば人間になれるだなんて軽薄な考えだった。
アリになった俺は子供に踏まれ雀に生まれ変わり、
雀になった俺は寿命によりチューリップに生まれ変わり、
チューリップになった俺は枯れて熊に生まれ変わり、
熊になった俺は銃で撃たれた。

そうやって生まれ変わりを繰り返すこと1480年、途中で亀になった時はどうしたもんかと思ったが待った甲斐があった。
ついに再び人間になれたのだった。

あともう少しで生まれられる、そう信じて待っていた。
母体を通じて母の声が聞こえてくる。

「産んでも育てられないよ」
「なんでお金出してくれないの?」
「どうしてそうやってすぐ別の女を作るの!?」

そして俺は皮肉なことにコウノトリとして生まれ変わった。
次の"チャンス”はいつだろうか。
その他
公開:18/07/16 03:45

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